私は「かわいそう」?
ゆりごろう:エレベーターで思い出したのですが、全く知らない初対面の人から「あなたかわいそうね」と言われることがあるんですよ。
佐倉:え?!
ゆりごろう:ほんと、「え?!」ですよね。私にとっては、かわいそうも何も「日常」なので、そのように言われると反応に困ってしまうんですよね。
佐倉:急にそんなことを言われると…びっくりですよね。
ゆりごろう:関係性が成り立った上でそのように言われるのはまだいいのですが、初対面で言われるとやっぱり驚きます。私はもう慣れてしまったのでいいのですが、本人がなんとも思っていなかった時、「かわいそう」だなんて言われると心にグサッときてしまいますよね。「かわいそう」って何?って。
佐倉:ホント「かわいそうってなに?」ですよね。誰がそんなこと言うのですか!
ゆりごろう:うーん。お年を召した方が多いですね。同世代の人からそう言うことを言われたことはないですね。もしかしたら言葉への認識の違いなのかもしれませんね。
佐倉:なるほど。確かに、言葉に対する「認識の違い」は、受け手にも影響しますよね。
ゆりごろう:本当の優しさが込められる言葉を使い合えるといいですよね。
長崎ならではの…
ーー長崎は「坂が多い町」といわれますが、街中での困りごとにはどのようなものがありますか?
ゆりごろう:長崎は本当に坂が多いですよね…坂道では、車椅子を押してもらっています。押してもらい、坂を登って目的地まであと少し!と思ったら、いきなり細い階段になっていることとかも困りますね。
佐倉:よく考えてみると、坂道+階段って多いですよね…
ゆりごろう:そうなんですよね。坂や階段だけではなく、実は「溝」にも困ることがあるんです。
佐倉:溝!具体的にどのようなことですか?

ゆりごろう:車椅子のタイヤって細いんです。これが、小さな溝にもはまってしまって大変なんです。車椅子でなくても、杖を使う時も挟まってしまい、転んでしまいそうになるという話をよく聞きますね。何気なく生活していると案外気づけないことですが、車椅子を使っているとやはりそういうところが気になってきますね。
佐倉:確かに、溝について考えたことは今までありませんでした。
ゆりごろう:道幅が狭いことも困ります。狭い道だと、点字ブロックの上を進まなければならなくて、タイヤがとられてしまうことがあるんです。
佐倉:なるほど…!道が狭いとそのような困りごとがあるのですね。
ゆりごろう:そうなんですよね。点字ブロックは目が見えない人には絶対に必要なものです。なので、車椅子を使う人だけではなく、すべての人にとって使いやすい道路が増えてほしいなと思います。