8月9日。今日は長崎に原子爆弾が投下された日です。長崎で暮らす大学生2人が平和について話し合いました。ISSOKUメンバー同士の対談の様子をお届けします。

受けてきた平和教育

佐倉:いるかちゃんは長崎出身だとお聞きしましたが、どのような平和学習をおこなってきましたか?

いるかちゃん:私は佐世保出身で、主に佐世保空襲に関してと長崎原爆に関して隔年で学習していましたね。毎年内容が変わるし、6月と8月の2回平和集会があったことも印象的ですね。長崎市内の平和学習とは少し違うかなとこっち(長崎市内)に来て感じることが多くなりましたね。

佐倉:なるほど!長崎の中でも学習内容が少しずつ違ってくるのですね。私は市内に住んでいたので、毎年原爆について学びました。逆に、佐世保の空襲については知らないことばかりなので、学ばなければならないなと思いました。今の平和教育について何か思うことはありますか?

いるかちゃん:各都道府県での平和教育の差はえげつないなと思います。特に長崎と広島の子どもたちは当時の写真等も見ながら勉強するので恐怖心を持つ子は凄い多いと思いますね。今の平和教育に足りないものって何だと思いますか?

佐倉:私は、もっと共有する時間が必要だと思います。戦争のお話ってやっぱり怖いし、悲しいものです。でも、学んだ後の感想文には「戦争をしてはいけないと思った」「もう二度と繰り返さないために周りの人に伝えたい」などと書いてしまいます。もっと「怖かった」「悲しかった」と気軽に話せる機会は絶対に必要だと思います。しかも、怖いとか苦しいってすぐにわからず、時間が経ってようやくわかるようになることもあります。なので、時間が経ってから出てきた気持ちを共有する場面があるともっといいですね。

いるかちゃん:うんうん。まじそれは思います。なんか、一方的に学ぶって感じですよね。感覚とか気持ちって結構年々変わるものだから、自主的に学んで感情を思い返すのも大切ですよね!

原爆の存在

佐倉:私は、長崎で暮らしていると、生活の中にも「戦争の跡」を感じます。何気ない日々を生きていた人がたくさんいたはずです。そんな町に、原爆が落とされたことを考えるといつも胸が苦しくなります。いるかちゃんにとって原爆とはどのような存在ですか?

いるかちゃん:そうですね…考えたことなかったです。

でも長崎に落ちたのが最後になっているから、原爆はこのまま長崎が最後の被爆地であってほしいですね。

佐倉:私もそのように思います。もう二度と、兵器としての使用をしないでほしいです。そして、実験としても使わないでほしいですよね。二酸化炭素排出による環境破壊は注目されていますが、核兵器だって環境を大きく破壊してしまう危険なものです。もう二度と使ってはならないと思います。

核兵器は必要?

佐倉:世界には、秩序を守るために核兵器が必要だという人もいます。「抑止力」というものです。核兵器はこの世界に必要だと思いますか?

いるかちゃん:不要ですね。世界のどこかの国が、持っているから必要だと考える人がいるんじゃないかなって思います。なので、非核三原則にのっとってどこの国も「もたない・つくらない・もちこませない」を守って欲しいですね…佐倉さんはどう思いますか?

佐倉:私は核兵器だけでなく、いかなる兵器もなくなってほしいと思っています。道具は人を傷つけるために使われるべきではないと思うからです。科学の発明も、農業をする道具も、人を傷つけるために使うべきではないと思うので、道具で人を助けたり、暮らしやすくしたりなど、人にも地球にも優しい使い方をしたいです。

いるかちゃん:いや、ほんとにそうですよね!発明した人もこんな使い方には悲しんでいると思います。人にも地球にも優しい世界であってほしいですよね。

大学生2人が考える平和とは

佐倉:いるかちゃんにとっての「平和」ってなんですか?

いるかちゃん:平和は子どもたちが将来を描ける社会だと思っています。大人になりたくない子供たちが最近多いことを聞いて結構悲しくて。将来も生きていたいって思わせる社会が平和なのかなと思ってますけどね。佐倉さんにとっての「平和」とはどのようなものですか?

佐倉:私にとっての「平和」とは、「有難いもの」です。「有ることが難しいもの」なんです。きれいな水が飲めることも、美味しいご飯が食べられることも、学校に行けることも、命を脅かされずに眠ることも、全て当たり前ではないんです。そのことをよく考えなければならないと考えています。全ての人にとってこれが当たり前だと言える世界になって初めて平和だと思うので、戦争をなくすことだけでなく、貧困問題や環境問題など幅広く考えていく必要があると私は思っています。

いるかちゃん:「有難いもの」かあ。なるほどですね。たしかになあ。ISSOKUの活動自体も平和を軸に色々してますもんね。

佐倉:そうですね。ISSOKUとしても色々な側面から平和について考えていけたらと思っています!本日はありがとうございました。

いるかちゃん:ありがとうございました!

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