「核兵器」って言葉をよく聞くけど、どんなものかよくわからないや…
ニュースで「核兵器」という言葉をよく聞くけれど、「実際に見たことはないし、どんなものかわからない」ということもあると思います。
まずは、核兵器の仕組みを中心に、私たちと一緒に学んでいきましょう。
核兵器の仕組み
核分裂連鎖反応という仕組みを使った、たくさんの人を殺し、住む場所を汚染させるための兵器です。
物質を構成している要素を「原子」と言います。その原子には、中心に「原子核」というものがあり、その原子核に中性子がぶつかることで分裂します。
核兵器の爆発する部分を核弾頭といい、分裂を繰り返すことを、核分裂連鎖反応といいます。
たくさんの物質が核分裂連鎖反応を引き起こすことで、大きなエネルギーを放出するのです。
しかし、全ての物質が核分裂を起こすわけではありません。
なので、核分裂を起こしやすい物質が使われます。
それが、ウランやプルトニウムという物質です。
ウラン
広島で使用された原子爆弾を「ウラン型」、長崎で使用された原子爆弾を「プルトニウム型」と言ったりします。
これは分裂させるために使われている物質が違うからです。
ウランは自然界に存在する元素です。
また、ウランには同位体が存在し、核分裂しやすいウラン(ウラン235)と核分裂しにくいウラン(ウラン238)があります。
自然界でウランは鉱物からみつかります。
見つかる段階ではほとんど核分裂しにくいウランなので、濃縮し、核分裂をしやすいウランに作り替えて核兵器に使用します。
プルトニウム
一方で、プルトニウムは自然界にほとんど存在しないものです。
プルトニウムは、ウラン燃料を原子炉で燃やした時にできます。
原子炉でウラン燃料を核分裂させると、ウランの一部がプルトニウムに変化するということです。
原子爆弾と水素爆弾
原爆と水爆という言葉を聞いたことがあるけど、違いはなんだろう?
原爆とは、先ほど紹介したウランやプルトニウムの原子核が分裂する仕組みを使った爆弾のことです。
一方で水爆とは、水素の原子核が分裂する仕組みを使った爆弾のことです。
水爆を爆発させるためには、とても高温になる必要があります。
水爆を爆破させるために高熱にするための機動装置として使われるのが、原爆です。
世界にはどれだけの核兵器があるの?
世界には合計して1万4000発もの核弾頭が存在していると推測されています。
核兵器の保有の数が推測である理由は、国家の軍事機密とされているからです。
なので、どのような種類の核兵器がどれだけ存在しているかは秘密にしているのです。
グラフにある9つの国でも、アメリカとフランス、イギリスは比較的情報公開を行っていますが、完全に公表しているわけではありません。
アメリカとソ連はかつて軍事拡大を競争的に行っていました。
かつて東と西を二分していた大国。
現在も核兵器を盾にしていることが、グラフから読み取れますね。
最後に
今回は、核兵器の仕組みを中心に、世界に存在する核弾頭の数を知りました。
核兵器は「人を殺すための道具」です。
これが、1万発以上存在している世界は平和といえるでしょうか。
私たちは、自分にとって大切な家族や住んでいる場所を守るためにも、核兵器という言葉に敏感になる必要があります。
世界を知ることから平和をはじめましょう。
参考文献