困っている人への声かけは?

ーー私たちは生活していると困ってしまうことってありますよね。先ほどお話しいただいた車椅子での困り事などもあると思うのですが、困っている人を見かけたらどうしたら良いのでしょうか?

ゆりごろう:そうですね…車椅子の人でもそうでない人でも、「困っている様子」だったら話しかけていいと思いますよ。

佐倉:確かにそうですよね。「困っているかも?」と思ったらどのようにお声かけしたらいいと思いますか?

ゆりごろう:車椅子の場合、キョロキョロしていたり、同じような場所をぐるぐる回っていたりなどしたら、「どうかしましたか?」など、尋ねるといいかもしれませんね。

佐倉:「どうかしましたか?」や「何か困っていることはありますか?」という声かけは大切ですよね。焦っていても答えやすいですものね。

ゆりごろう:そうなんですよね〜。困っているそういえば、以前、図書館まで車椅子を押してくださいましたよね。

佐倉:わー!そうですよね!あれ、もう2年前ですか?!

ゆりごろう:ですね(笑)あの時、とても嬉しかったんです。

佐倉:覚えていてくれたなんて…!

ゆりごろう:覚えてますよ〜!親切にした側は「ちょっとしたこと」だと思うかもしれませんが、親切にしていただいたことは、ずっと心の中に残るものなんです。

佐倉:わあ…!なんだかとても嬉しくなってきました…!覚えていてくれて、ありがとうございます。

見えない「バリア」と多様性

ーー他大学でもいいのですが、車椅子で大学に通うお友達などと情報共有したりするのですか?

ゆりごろう:私の身の回りだけかもしれませんが、車椅子で大学に行く人は少ない印象があります。私とあともう一人以外、作業所などに進みました。

佐倉:そうだったのですね。大学進学にはどのような難しさがありますか?

ゆりごろう:進路を決める時に指導している先生にもよるのですが、大学進学に強くない先生もいるんですね。大学進学ではなく、作業所に行くことが前提のような感じ。大学に進んだ私からすると、「大学に行くこと自体」に壁を感じますね。

佐倉:見えないバリアが存在するのですね…

ゆりごろう:案外「見えないバリア」はたくさん存在しているのかもしれませんね。最近は、多様性が重んじられる社会になってきたと思いませんか?

佐倉:どちらかと言えばそうですよね。

ゆりごろう:それで、「みんなのトイレ」という名前のトイレが誕生しました。名称が「みんなの」なので、着替えやメイク直しなど特に必要ではない用途で使う人が増えたように感じています。

佐倉:なるほど…!トイレに急いで向かったのに、着替えで使っていたなんて知ると「なんでー!!」ってなっちゃいそうですよね。

ゆりごろう:すごくピンチな時は困ります(笑)私は足に感覚はありますし、歩くことに困難があるだけなので、みんなのトイレではなく女性用トイレを使うことがありますが、麻痺などがあり車椅子を利用している人にとってはもっと大変だろうと思います。

佐倉:「みんな」という言葉だけ聞くと、多様性に考慮し、包括的な表現に聞こえますが、本当に困っている時にバリアとなってしまうことがあるのですね…今まで気づきませんでした。

ゆりごろう:他にも運転免許取得にもバリアがあります。車椅子に対応した車がある自動車学校がすごく少ないので、限られたところでしが免許をとることができません。とても大変なので、車椅子の同世代の人たちも取らない人が多いです。

佐倉:確かにそうですよね。今まで、想像もつきませんでした。免許取得も誰もが行いやすいようになるべきですよね…

ゆりごろう:そう思いますが、車を用意することは大変なことでしょうしね…今すぐには無理でも、そのような社会になってほしいです。

今まで言えなかった

ゆりごろう:私、今までこういう話はあまりしてこなかったんです。

佐倉:そうだったのですね。その理由を聞いてもいいですか?

ゆりごろう:もちろんです。私は歩くことが難しくて車椅子を使っているのですが、それを「甘え」だと表現する人がいるからです。身の回りで「障がいは甘えだ」なんて風潮があったからですね。

佐倉:心無い人がいることが、とても苦しいです。

ゆりごろう:私の友達の話ですが、車椅子はやっぱり目立つようで、視線を感じるみたいです。そのような風潮の中、どのような意味があろうとジロジロ見られるのが嫌だと思う人も多いみたいですね。

佐倉:近藤さんは今の大学生活の中でも、「よくない風潮」を感じますか?

ゆりごろう:それがですね、大学生活の中で出会う人は優しい方ばかりなのです。大学も可能な限りサポートをしてくれますし、友達も、先輩も、素敵な方ばかりです。みなさん「あたりまえ」のように椅子や机を動かしたり手伝ってくれます。みなさんがとても優しい。これは有難いことです。

佐倉:素敵な変化ですね。これが社会全体、全ての人が感じられるような世の中になってほしいと心から思います。

ゆりごろう:本当にそうですよね。みなさんにとってはたった一動作でも、私からすると大変労力を使うことがあります。なんでしょう。「藁にもすがる思い」な時もあるんです。周りがお手伝いしてくれること、本当に助かっています。

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